今年から小説を趣味の1つとして読み始めたんですけど、

小説ってめちゃくちゃ面白いですね(゚∀゚)キタコレ!!

僕はあとになって

ズルい!!!こんな面白いのになんでもっとおすすめしてくれなかったの!!!ヽ(`Д´)ノプンプン

とか思われたくないので、面白かった小説を共有します。どうも、Twitterフォロワー乞食のナルタツです。

「楽しんでもらいたい!(絶対にこのサイトのリンクから買い物をして欲しい!)」という一心で2016年の小説ベストを選びました。

なるべく2016年発売のものを読むように心がけましたが、僕が今年読んだ作品も多分に含まれています。

10位→1位の順で見ていきます( ゚д゚ )クワッ!!

目次(読みたい部分にジャンプも◯)

2016年小説ベスト10

10.ドローンランド

大小さまざまなドローンで
すべてがデータ化された監視社会。
ボガート好きの昔気質の警部が
「ミラースペース」を駆使して挑む巨大な謎。
独ベストセラー作家による未来派エンターテインメント登場。

帯より。

作者 トム・ヒレンブラント
ドイツ
1972年生まれ(46歳)
ジャンル ミステリー

ジャンルとしてはサスペンス・ミステリーな刑事ものですね。

小説をきちんと継続的に読もうと決めたのは今年が初めてだったのですが、ジャンルごとに書き方が違っていて、刑事ものというかサスペンスはその辺顕著だなーと感じました。

個人的に「ミステリーの王道展開はあまり好みじゃないな」と感じていたのですが、本作は王道でありながら、SF要素がスマートに盛り込まれてワクワクが止まらないミステリーでした。

SFガジェットはスマートかつイメージしやすく、”このストーリーならでは”感が強くて良いし、刑事モノらしい泥臭さとの対比・バランスも含めて良かったです。

また、文章は簡潔で読みやすく、世界観も合わさって退廃的なSF要素を助長してくれたんじゃないかなと。

9.軋む心

不況にあえぐアイルランドの田舎町で、
有る男の他殺体が見つかり、
ひとりの幼児が何者かに連れ去られる……。
殺人と誘拐という不穏な旋律に、
21人の語り手の声がポリフォニックに絡み合う、
遅咲きの新鋭による傑作長編!

帯より。

作者 ドナル・ライアン
アイルランド
1976年生まれ(40歳)
ジャンル ミステリー

「アイルランド最優秀図書賞、ガーディアン処女作賞受賞作品」というネームバリューで買いました。

素人は素人らしく、おすすめの書籍を堂々と買うのが良い小説を見つけるコツだと思います。恥などどこにもない。

「ある田舎町で起こった「殺人」と「誘拐」という2つの事件が、そこに住む21人の人々の独白によって浮かび上がっていく…」という構成です。

小説はそれぞれ「ボビー」や「ジョシー」など、人物名で区切られています。

出来事自体はサスペンスめいたものですが、どちらかというと田舎町らしく「根も葉もない噂が飛び交い、何が事実なのか分からなくなる怖さ」が際立ちます

本作はそれぞれの人物の視点からの独白なので、事件に対してだったり人物に対してだったりと、語り手によって切り口が異なる点が魅力なのかなと。

また、現実のアイルランドは実際に不況であり、この小説で描かれる人物や出来事は、実体験に基いて生まれたんだろうなと推測できます。

音楽でもそうですが、やっぱりその土地に根付いたものから着想を得た発想というのは素敵だと思います。

こんな不況の中、僕達に出来ることは小説を買って作者に還元することくらいなのかもしれませんね。

8. なんらかの事情

帯なし。

作者 岸本佐知子
日本
1960年生まれ(56歳)
ジャンル エッセイ

翻訳家の岸本佐知子さんによるエッセイ集。

シンプルに面白いし、文庫で250ページ弱なので、移動中とかの持ち運び本として何回も読みました

僕は結構文庫購入率が低いし、こういうサッと読める本っていうのは何冊か持っておくと良いかもなーと。

本の内容としては、日常をベースに妄想を膨らまして展開していく小話で、ほとんどが4〜5ページの短編

「くだらないなぁ」と思えるちっぽけなことをドンドン膨らませて、ワケの分からないオチまで持っていきつつも、なぜだか共感できちゃう。多分誰が読んでも楽しめるものではないでしょうか。

7.ゼロヴィル

「映画自閉症」の青年のヴィカーは、映画『陽のあたる場所』の
モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーを、自分のスキンヘッドに刺青している。
フィルム編集の才能が買われ、ハリウッドで監督作品を撮ることになるが……。

帯より。

作者 スティーヴ・エリクソン
米 カリフォルニア
1950年生まれ(66歳)
ジャンル ヒューマン・ドラマ

翻訳が柴田元幸さんなので間違いないだろうと購入。

翻訳家を基準に小説を選ぶと外れにくいので、翻訳家から入るのはかなりおすすめです。

「ゼロヴィル」はとにかく読みやすいんですよね。区切りが1〜2ページに何個もある場合があるので、小説初心者にありがたい作りです。

ストーリーはとにかく映画、映画、映画で、1970年〜のハリウッドにトリップさせてくれます。

親子の不和や映画ジャンキー具合など、あれやこれやと色んな話(ジャンル)に手を付けているのは映画的であり、それらの行く末もまた映画的。

場面を想像しやすい小説もそうでない小説もあるけど、これは多分一番脳内でビジュアル化しつつ楽しめた小説だった。

また、ジェームズ・フランコが主演・監督で映画化され、2017年に公開されるらしいので、そちらも楽しみ。

6.野生の探偵たち

1975年の大晦日、二人の若い詩人アルトゥーロ・ベラーノとウリセス・リマは、1920年代に実在したとされる謎の女流詩人セサレア・ティナヘーロの足跡をたどって、メキシコ北部の砂漠に旅立つ。
出発までのいきさつを物語るのは、二人が率いる前衛詩人グループに加わったある少年の日記。
そしてその旅の行方を知る手がかりとなるのは、総勢五十三名に及ぶさまざまな人物へのインタビューである。
彼らは一体どこへ向かい、何を目にすることになったのか。

Amazonより。

作者 ロベルト・ボラーニョ
チリ
1953年生まれ(没50歳)
ジャンル 伝聞的伝記

小説を読まなかった僕でもロベルト・ボラーニョという名前は知っていたので、かなり有名な作家です(断言)。

初心者は有名どころを抑えるのがベターです。間違いなく楽しめるし。

予想を裏切らず、こちらも超面白かったです。

僕の読んできた数少ない小説たちの中に「オン・ザ・ロード」というのがありまして、つまりはロード・ノベル(旅もの)なんですが、「野生の探偵たち」はそれに近い匂いを持ちつつサスペンス的な要素もありつつ…といった感じで、とにかく良さが詰まった小説です。

「軋む心」のように、たくさんの人物の独白によって“ある2人の半生”が描かれていくのですが、こっちは人数が多すぎるため、すべてを把握するのは困難です。

もう一度読むときは、ノートに誰が何を話したかメモしながらその旅路を共にしたいなぁと思いつつ。

5. 奪い尽くされ、焼き尽くされ

夏休みを持てあます少女。認知症の父と過ごす中年男。移動遊園地に集う人々。暴虐の限りを尽くすヴァイキングの男たち―。多彩な視点と鮮烈な語りが、人々の静かな絶望、消えずに燃え残った願い、湧き出す暴力の気配を描き出す。アメリカン・ドリームなき21世紀のアメリカ人の姿とその内面を、絶妙の心理描写と独特のユーモアで浮き彫りにする全9篇。ニューヨーク・タイムズ紙、タイム誌ほか各紙誌が絶賛した驚異の新人によるデビュー短篇集。

Amazonより。

作者 ウェルズ・タワー
カナダ・バンクーバー
1973年生まれ(43歳)
ジャンル 短編集

「人生って全然思うようにいかないなぁ…」っていう気持ちを見事すぎるくらいに描いた短編集。

この小説の中に出てくる登場人物たちは、とにかくハッピーエンドになりません。

新潮社に書かれた青山南さんの短評が、その世界観を見事に表しているかと思います。

かつてレイモンド・カーヴァーやトバイアス・ウルフは、アメリカ社会の吹きだまりのようなところでひっそり生きるひとびとを、簡潔な言葉で書いた。
そこには夢を持てないことを嘆くブルースみたいな音楽がただよっていたのだが、タワーの作品群にはそういうものがまったくない。
彼らはただただ不機嫌なのだ。苛立ち、トゲトゲしている。
「奪い尽くされ、焼き尽くされ」た21世紀のアメリカは、ブルースすら生まれない、とほうもない荒涼のなかにある。
シニカルを超えた、ほとんどシックなユーモアが、リアルなアメリカをつかまえる。
新潮社 奪い尽くされ、焼き尽くされ

殺伐とした世界に救いのない人生。

ファンタズムのない現実的な世界観が、深い共感を呼び起こすのかなと。

読後はグッタリしつつ、それでもまた読みたくなる不思議な魅力のある小説です。

4.森の人々

ある科学者が目撃した
熱帯の島の悍(おぞ)ましい成人儀式、
そして食すと不老不死になる幻のカメ――

帯より。

作者 ハニヤ・ヤナギハラ
LA(現NY在住)
1975年生まれ(41歳)
ジャンル 伝記(フィクション)

日本人みたいな名前ですが、ハワイ系の人らしいです。

本作は“実在の科学者をモデルにしたフィクションの自伝”が描かれていて、これがまあ面白い(ややこしいけど)。

最初は”科学者”としての自分が描かれ、事が動き出したら神秘的な伝説の中に入り込んでしまい、かと思いきや野生のリアルに遭遇し…。と、展開が二転三転してとにかく飽きない

“自伝と小説の間”くらいのテイストで書かれていて、ウ・イヴという島やそこに住む人々、野生、自然など、マジで存在してるんじゃないの?ってくらいリアル。

なんと構想16年
じっくりコトコト煮込んでますなぁ…。

3. 盆栽/木々の私生活

チリの首都サンティアゴに住む、作家志望の若者フリオ。学生時代、彼にはエミリアという恋人がいた。彼女と過ごした日々、二人が読んだ本の数々、現在フリオが書く小説「盆栽」の構想、そしてエミリアの死…メタフィクション的かつ斬新な語りと、生と死をめぐる即物的なまでの描写が胸を打つ(『盆栽』)。ある晩、絵画教室から戻らない妻ベロニカを待ちながら、幼い義理の娘ダニエラを寝かしつけるために自作の物語「木々の私生活」を語り聞かせる日曜作家のフリアン。妻は帰ってくるのか、こないのか。不意によみがえる過去の記憶と、彼と娘の未来が、一夜の凝縮した時間から広がっていく(『木々の私生活』)。樹木を共通のモチーフとして、創作と書物、失われた愛、不在と喪失の哀しみを濃密に浮かび上がらせる。深い余韻を残す、珠玉の二篇。

Amazonより。

作者 アレハンドロ・サンブラ
チリ
1975年生まれ(41歳)
ジャンル ヒューマン・ドラマ

今までのも面白かったですが、ここから先は超面白い小説ばかりです。

ラテンアメリカ文学における「ポスト・ボラーニョ」世代の旗手として、チリの国内外で高い評価を受けているアレハンドロ・サンブラ。

訳者あとがきにて

書くことは盆栽の世話をするのと同じだ
枝を摘み取ってゆき、すでにそこに隠されていた形を浮かび上がらせるのだ 作者エッセイより

と書かれています。

このミニマムな考え方は、この上なく簡素に研ぎ澄まされた文体にも表れています

内容としては恋とか愛とかの話であり、「妻が全然帰ってこない」というだけの話なんですけど、もう文体だけで読ませるくらい読み心地が良い

また、不在や死を連想させつつも、過去へ未来へと時間を移動しながら活き活きとした描写をしており、その辺がまたニクい。

2. 夜、僕らは輪になって歩く

内戦の時代の記憶と小さな嘘がもたらした、思わぬ悲劇。
愛しい人への思いが、消え残る夢が、
伝説の小劇団の運命を狂わせ、追いつめていく。
ペルー系の俊英による、渾身の第二長編。

表紙裏より。

作者 ダニエル・アラルコン
ペルー
1977年生まれ(37歳)
ジャンル ロード・ノベル

何かタイトルだけで物珍しい感じですよね、「夜、僕らは輪になって歩く」

復活する伝説の劇団「ディシエンブレ」の劇作家ヘンリーの過去を巡る話と、その劇団のオーディションに受かり、共に各地へ旅立つことになった若手俳優のネルソンの奇妙な旅路を中心としたロード・ノベル

単純に旅ものっていうだけで好みなんですけど、更に芸術のロマンとか恋愛とか、様々な要素が散りばめられていて面白い

常に何かが上手くいかないもどかしさがあり、「T」という街にたどり着いてからはジワジワと追い詰められていく様がたまらない。

途中から”僕”という語り手が自然に入り込んでくるんだけど、この視点の変化や誰なのかわからないまま進行する語り手への違和感も、ラストへの不協和音を増長する感じで歪な読み応えが◯。

この小説は「輪」が大きなテーマになっています。あとがきからもそれが分かるので、引用。

「輪」というモチーフは表現面にとどまらない。
復活した劇団がかつての旅路を辿り直すという公演旅行の計画や、首都から内陸部へ、そしてまた首都へという旅路、登場人物たちが過去を再訪する行動。
物語はいくつもの「輪」を形作りながら進行していく。
1人の若者による、ささやかな冒険の顚末は、こうして、社会の変化や、自己と他者の関係、さらには芸術のもつ意味など、実に多面的な小説として結実している。
『夜、僕らは輪になって歩く』は、読み返すたびに、新たな「輪」を見せ、新たな魅力を発見させてくれるだろう。

1. ストーナー

これはただ、ひとりの男が大学に進んで教師になる物語にすぎない。
しかし、これほど魅力にあふれた作品は誰も読んだことがないだろう。
――トム・ハンクス

帯より。

作者 ジョン・ウィリアムズ
アメリカ
1922年生まれ(没72歳)
ジャンル 人生(伝記)

いやーまさにトム・ハンクスの言う通りで、“ストーナー”という男が生まれ落ち、大学に行き、文学に恋をし、死ぬまでを描いただけの話なんですけど、これがめちゃくちゃ面白いです。

僕は最初の23ページまでで完全に持っていかれました、特にこの部分。

「わからないのかね、ストーナー君? まだ自分というものを理解していないのか? 君は教師になるのだよ」
突然、スローンがとても遠くに見え、教官室の壁も遠のいた。
ぽっかり広がった空間に宙吊りにされた気がして、そこへ自分の声が聞こえる。
「本気の話でしょうか?」
「本気だとも」スローンは穏やかに言った。
「どうしてです? どうして、そんなふうに思われるんです?」
「恋だよ、ストーナー君」興がるような声。「きみは恋をしているのだよ。 単純な話だ。」

ストーナーは文学に恋をし、その一生を文学とともに歩んでいきます。

それ以外にも、恋をしたり同僚との確執があったり、親子関係の変化があったり。

穏やかでありながら、そこには常に緊張感のある展開が。

しかし一個人のそれを逸脱することなく、至って普通の人生を送っていきます。

この”何者でもなさ”が、ストーナーの魅力なんだと思います。

まるで『自分宛てに送られてきたメッセージ』のような小説で、そこにたまらなく魅了されてしまうのです。

多くの人は普通の人生を送ります。

歴史に残る人物は少数で、偉業を果たす人は世界でも一握りしかいません。

ただひたすらに「普通」でしかない自分でも、生きて、働いて、感情を揺り動かして過ごすことこそが素晴らしいんだと。

誇れる仕事を持ち、自分とその周りにもっと深く関心を持てば、目に見える世界はきっともっと良くなるんだと思わせてくれます。

いや、……これマジで面白いから読んで?

おわりとまとめ

改めて順位を。

  1. ストーナー
  2. 夜、僕らは輪になって歩く
  3. 盆栽/木々の私生活
  4. 森の人々
  5. 奪い尽くされ、焼き尽くされ
  6. 野生の探偵たち
  7. ゼロヴィル
  8. なんらかの事情
  9. 軋む心
  10. ドローンランド

あらすじらしいあらすじをあまり書いてないですが、結構小説ってそういうところを気にするものでもないなって気が付いたのも今年。

元々はライティングスキル向上という名目で読んでいこうと思って趣味として始めたんだけど(普段はwebライターやっています)、全く知らない世界をたくさん開けたような気がしたので、人生の歓びという意味でも読み始めて良かったです。

来年は小説をただ読むだけでなく、文学解説書や小説以外の書籍などにも目を向けて、いろいろ知見を広げていけたら良いかなぁと思っています。

みなさんも、これを機に小説を手にとってみてはいかがでしょうか。

※この記事はスダAdvent Calendar 23日目の記事です。

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出典: ハートとボディの広辞苑 VVEL9

昨日のスダAdvent Calenderも僕です。なんて図々しさ。「2016年私的ベスト・アルバム40」もぜひ。