2017年からは、過去作をちゃんと聴こうということで、過去作を一括してレビューしていくことにしています。第一弾は、僕がこれまで聴いたことのなかったThe Killers(ザ・キラーズ)を掘り下げて聴くことにしました。

アーティスト単位でのレビューなんてやったことなかったから、ちょっとどういう着地になるのか見えてないですけど、これをきっかけに「The Killersを聴いてみっか!」とかなってくれたら最高です。目指すべきはそこですね。

The Killersの基本的な情報

あんまりうんちくを言ってもしょうがないので、ここでは最低限の情報のみに留めます。

The Killersはアメリカ・ラスベガス出身の4人組バンドです。ジャンルとしては、ロックをベースにシンセポップ、ニューウェイブ、インディーロックなどが混ざりあった感じですね。要は「UK大好きなアメリカン・ロックバンドが、シンセサイザーを多用しました」みたいな音楽性という認識で問題ありません。

あと、メロディの幅が広いのも特長。系統としてはQueen、Muse、Keane辺りの感じです。

メンバーは

the-killers-band

The Killersメンバー

  • Brandon Flowers(ブランドン・フラワーズ):ボーカル、キーボード(画像左)
  • Dave Keuning(デイヴ・キューニング):リードギター、コーラス(右から2番目)
  • Mark Stoermer(マーク・ストーマー):ベース、リズムギター、コーラス(左から2番目)
  • Ronnie Vannucci Jr.(ロニー・ヴァヌッチ):ドラム、パーカッション(右)

と、オーソドックスなバンド形式。初期はドラムとベースが違うメンバーだったみたいだけど、実質的なオリジナル・メンバーです。

2017年1月までに計4作のアルバムをリリースしていて、UKではその全てが一位を獲得、USでも10位位内に必ず入っているくらい、世界的に人気なバンドです。

時代に乗った好盤Hot Fuss

タイトル Hot Fuss(ホット・ファス)
リリース年 2004年
影響を受けたアーティスト New Order / David Bowie / U2
個人的点数 74点

このアルバムは、The Killersの作品の中で一番UKに接近した音楽になっています。LA出身のバンドながら、Vo.のブランドンはUKの音楽が大好きなんですね。これまで受けてきた影響を素直に曲にしたらこんな感じになりました!みたいな。LA産のUKシンセポップです。

時代はちょうどBritpop Revival(ブリットポップ・リバイバル)がムーブメントになっているときで。Kasabian(カサビアン)とかFranz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)とかがデビューした年ということもあって、UKからめちゃくちゃ受け入れられたアルバムでした。

まさに時代が生み出したような作品。逆輸入という形でUSでも人気が広がり、計700万枚以上も売れたらしい。すごい。

アルバム“Hot Fuss”はとにかく“Mr. Brightside”に尽きると思っていて。シンプルで疾走感があって、UKのシンセポップとUSのポップ・パンクが完璧な形でミックスされたような楽曲は、個人的にもThe Killersで一・二を争う名曲なんじゃないかと。

音楽誌などでは、アルバム・トータルでの評価はそこまで高くはないみたいだけど、僕はこのUK感が好きなので、アルバム通してアリです。

他に“All These Things That I’ve Done”や“Believe Me Natalie”など、ただの一発屋じゃ終わらないことを予期させるような楽曲のセンスを感じさせます。ただ、今作のようなUK路線は、段々と薄れていくのですが…。

ホントにアメリカ回帰?Sam’s Town

タイトル Sam’s Town(サムズ・タウン)
リリース年 2006年
影響を受けたアーティスト Bruce Springsteen / U2 / Duran Duran
個人的点数 67点

2006年の2nd。まだ若さを感じるサウンドで、今作はよく「USへの回帰」みたいな扱いをされています。が、全然UKだよね?と思うんですよね。ジャンルでいうとグラム・ロックが近いでしょうか。

確かにロック色は強くなり、音はヘヴィになりました。だけど“Read My Mind”や“For Reasons Unknown”など、まだまだUK感は健在じゃないかなと。

個人的には今作はあまり好みではなくて。構成に凝りだしたのは今作からだけど、何だか広げた風呂敷を回収しきれていないような消化不足感が拭えない。そんな中でも表題曲“Sam’s Town”や“Bones”のグラマラス・ロックさはめちゃくちゃ良くて。

僕の中でSam’s Townは、Hot FussからDay & Ageへ生まれ変わるまでに必要だった「サナギの期間」だったのかなという認識です。

UKとUSの完璧な融合Day & Age

タイトル Day & Age(デイ・アンド・エイジ)
リリース年 2008年
影響を受けたアーティスト Elton John / David Bowie / Lou Reed
個人的点数 80点

アルバム“Day & Age”は、これまでと比べてサウンド・プロダクトが大幅に変わりました。

ここにきてUKとUSの音楽を完璧に融合させ、The Killersの追い求めていたであろう音楽が奏でられるようになっているように感じます。ダンサブルなニューウェーブといったところですか。

疾走感のあったのは前作までで、今作からは落ち着き払った楽曲揃い。構成も完成されたものになっている。その上で、ファンクPopな“Joy Ride”やサーフ・ミュージック“I Can’t Stay”などにも挑戦していて、楽曲の完成度と実験性の両立ができている。

ただ、アルバム全体としてはちょっととっ散らかった印象も。それでも今作は、The Killersを代表する名盤なのではないかと思うのです。個人的にThe Killersで一番好きなのは5曲目の“A Dustland Fairytale”。盛り上がりが最高なバラード曲です。

“Day & Age”に関しては、個別でもレビューしています。

めっちゃカブいてるBattle Born

タイトル Battle Born(バトル・ボーン)
リリース年 2012年
影響を受けたアーティスト Queen / David Bowie / U2
個人的点数 66点

第一印象。

歌舞(カブ)いてるねぇ〜。

“Day & Age”からしばしの活動休止を経て今作“Battle Born”が完成したわけですが、このアルバムはThe Killersであることを存分にアピールしたアルバムになっていて、これまでで一番完成されたアルバムになっています。音はより貫禄ある感じになっていて、ときどきプレイヤーを見失うほど。ここまでくると、単純にロック・アルバムなんじゃないですかね。

楽曲自体はこれまでで一番完成されているのは間違いないし、ブランドンの声も伸びやかで聴いてて楽しい。コーラスも充実していて、非の打ち所がない。

が。ライブ感が感じられない。プロの音楽になっている。いや、プロなんだけど。

曲自体は本当によく書けている。“Runaways”とか、昔のThe Killersからは考えられないくらい完璧だと思うし、“The Rising Tide”とかは逆にシンプルで魅力的だったりと、粒は揃っている。だけど何か物足りない…。

これまでのアルバムより断然余裕があって、“From Here On Out”みたいな楽曲をサラリと入れてしまう辺りのセンスは素晴らしいけど…。僕がThe Killersに求めているのは「ロックの臨場感」だったんだなと、ここにきて認識した次第です。

個人的The Killersアルバム順位

星5段階評価

  1. Day & Age(3rd)★★★★☆
  2. Hot Fuss(1st)★★★★
  3. Sam’s Town(2nd)★★★
  4. Battle Born(4th)★★★

おわりに

The Killersは2017年の夏に5作目となるアルバム・リリースを控えていて、完全にそのリリースを迎えるためだけにこれまでのThe Killersを振り返りました。

プロデューサーにはU2やR.E.M.などを手掛けたJacknife Leeが選ばれているらしいです。Two Door Cinema ClubCrystal Castlesらをプロデュースした人でもあるので、5作目は個人的に期待できるんじゃないかなと。

Day & Age期の頃のように、適度なダサさとかっこよさを両立したアルバムだったら良いのにな…。カッコいいだけのThe Killersはもうお腹いっぱいです←

アルバムを順に聴くとしたら、1stから順に聴くのがおすすめ

The Killers歴を振り返ると、1stはやっぱり異質なアルバムですし、3rdも1stと2ndを味わってからの方が理解が深まるし…。4thから聴いたら1stの魅力が「?」になるかもしれませんし。

成長を見るという意味では、The Killersはかなり楽しいバンドだと思いますよ。