「嫌われ芸人」として、さらに最近は「クリエイターからも嫌われ芸人」としてトップをひた走るキングコング西野さん。絵本を無料にし、「お金の奴隷解放宣言。」という記事で爆発したキングコング西野さん(以下敬称略)。

そんな彼が、自身の独演会をYoutubeで無料公開していることを最近知りました。2015、16年の2つの独演会が公開されています。

芸人のソロトークってあんまり見る機会ないですよね。キンコン西野のトークは自虐あり、人の悪口あり、自慢話ありと、西野節全開でした。

僕は今のところ2015年の独演会を見終えたところなんですが。やっぱり観てると芸人のトークって面白い。「西野だから観たくない」とか「2時間とか長いし」とかの気持ちも分からないでもないですが。

しかし、芸人が一人で延々と話し倒す映像なんて多分そうないですし、観てるとトーク術のヒントにつながることもいくらか感じました。そんなわけで今回は、「西野亮廣独演会から見る、トークスキルのヒント3つ」について話していきます。

キャラの自覚と無自覚な嫌われ

さすがにここまで嫌われ芸人として知れ渡っていると、本人も嫌われていることに自覚的です。嫌われ芸人だからこその発言、悪口、自慢話。下がりきった好感度をまださらに掘り下げようという気概が素晴らしい。そこで僕は序盤「あー、この人はしっかりビジネスしているんだな」と思ったわけです。

しかしじっくり観ていると段々「嫌われキャラという認識を持ちつつ、やっぱり嫌われるべくして嫌われる人だな」ということに気が付きます。

明るい話題とかより、負の話題が圧倒的に多いんです。全編通して人の悪口が多い。自覚的トークでありながら、それが時々笑いのラインを超える部分もチラホラ出てきます。

まあでもよくよく考えると、嫌われ芸人だしそれが当たり前なんだな、と落ち着くんですが。できることを全うすると、周りから貼られるレッテルと本人の話風って、どうしても被ってくるんだなと。

そんなわけで、大前提として「できないことはやらない」ことが大事だなって改めて思ったわけです。自分らしいスタイルで話をすることが重要ってことです。

話を次に繋げるスキル

お笑いのトークは、映画やドラマと違って「たくさんの短いエピソードをつぎはぎしていかなくてはならない」ため、ストーリーに仕立て上げるのが難しい。

そんな中でもこの独演会でスゴいなって思うことは「話を次に繋げるスキル」でした。

流れだけかいつまんで話すと、

  1. ファンって気持ちが悪い人が多いですねって話
  2. 食い逃げの変なデブの話
  3. 渋谷のど真ん中で笑う変なおっさんの話

とトークが続いていくのですが。一つ一つは全く関係ない話なのに、「気持ち悪い・変」っていう一点の共通項から次の話題につなげていくため、流れに違和感がありません。

話上手な人は当たり前のようにできることかもしれませんが、2時間弱という長丁場を話せるだけの話のストックと流れの作りは普通にスゴいなーと感じました。

メラメラに感情を入れる

体験談はやっぱり一番熱が入って面白い。西野独演会はほとんどが負の感情をぶちまけまくってるものだけど、その感情の入れ込み具合が面白さを助長させます。

それに加えて、必要な情報を何度も繰り返したり声の抑揚をつけたり間を取ったり…。熱を入れるところは入れて、落とし所はクールにキメるみたいな。ありがちな感じですが、こういうメリハリが面白さにブーストをかけているのかなと。

おわりに

僕は西野亮廣独演会を観て、彼が嫌われる理由がより分かったし、トークが面白いのも分かった。

クリエイターに嫌われてしまった「お金の奴隷解放宣言。」の発言は、計算であり天然であり。これぞ嫌われ芸人の真骨頂だったんだなと。

この独演会を観て「やっぱり嫌いだった」「もっと嫌いになった」という人も間違いなく確実にいるかとは思いますが、一面だけで人を語る前に、一回は別の面を見てみても損はないんじゃないかな、と思うわけです。