Netflixオリジナル映画「バリー」を観ました。

この映画は、オバマの学生時代の話です。それも、ハワイからアメリカに来たての大学3年生(1981年)の頃に絞ってあります。

正直言うと、僕はオバマの功績をあんまり知らない。だからその辺りは別のサイトの記事に任せるとして、映画同様、人柄について話を進めていきます。

この映画を観ようと決めたのは、今日(2017年1月20日)がバラク・オバマ大統領からトランプ大統領になる日だったからなんですね。一つの節目にこういう作品に手を出すのは大事なことなんじゃないかなって思うわけです。

そんなわけで、映画「バリー」のレビューを始めます!ネタバレに関してはあまり気にしない方針で書くため、真っさらで観たい人はその点ご注意を。

“バリー”について

“バリー”は、バラク・オバマの愛称らしい。バラク→バリー。チャールズがチャーリーって呼ばれるみたいなもんですね。

僕はそのことがよく分かってなかったので、この映画を観る前に「バリー オバマ」でググってみたら「バラク・オバマの国籍陰謀論」にたどり着きました。

本名はバリー・ソエトロ(Barry Soetoro)とか何とか。これも映画に関係あるのかなーと思って観たのですが、陰謀論的な話題とは一切関係なかったです。

色んな名前があるのは、生まれが複雑だからみたいっすね。父親はケニアに家族を持ちながらハワイで子供を持ち、そこで生まれた子がオバマだったとか。

ハワイとケニアのハーフで白人と黒人のハーフ。誰かの橋渡しのような人間でありながら、誰とも同じじゃない人間。それがバラク・オバマのルーツでした。

どこにも馴染めない男

barry

ハワイで生まれ育ったからアメリカ人ではあるけど、色んな意味でのハーフということで、常に疎外感を持つバリー。

周りが楽しそうな中、一人ピリついた緊張感を醸し続けるバリーは、どこか他人と距離を感じさせます(人当たりは良いし、周りもそんな彼のことを好いているようには映りますが…)。

シャーロットの存在が最高

そんな中、白人の彼女であるシャーロットが本当に最高だった。

彼氏が黒人?そんなの関係ねぇ!

彼氏がピリついてる?そんなの関係ねぇ!

愛情や心配、不安などなど、色んな感情を包括してバリーを包み込んでくれます。

僕も昔は「捨てられたくない」とか「愛してる」とかの感情を直球で投げられたときは「ちょっと重たいな…」などと思ったものですが、今思えば最高に愛おしい。あの頃の僕はなんと独りよがりだったのか。

…まあ、その辺りのバリーの選択も大学生ならではというか。今の僕ならこういう娘がいたら絶対手放さないな…。おとなになったものです。

anya-taylor-joy

ちなみにヒロインを演じた子はAnya Taylor-Joy(アニャ・テイラー=ジョイ)という子。マイアミ出身の20歳ということで、今後の活躍が楽しみ(メッカワ)。

忘れないのは被害者だけ

バリーのルーツは「誰でもない」ことだと言えると思うけど、それを象徴するあだ名が”透明人間”だった。あくまでこれはフィクションだと思うけど、この「誰でもなさ」が、バリーをバリーたらしめているように感じた。

そして、バリーは今に生きる人間でありながら、「黒人の歴史」を代表する人間でもあった。学校のクラスでも唯一の黒人だったり、体育館でやるバスケの相手は白人ばかり。

授業でも、奴隷の話をしたらクラスメイトから

「聞いていいか?なぜすぐ奴隷に結びつける?」

などという発言も。

白人は加害者側だったから、奴隷に対して”歴史がない”。黒人は決してそうではないのに。

また、同一のクラスメイトが「今は1981年だぞ。」とも言う。これはなかなかこの映画を表している言葉だと思っていて。多分こういう人は、2017年にいても全く同じことを言うんじゃないでしょうか。「今は2017年だ。奴隷制度なんて過去の話。白人と黒人で差別なんかないし、過去なんてどうだっていい。大切なのは『今』なんだ」。

そうではなく、バリー(バラク・オバマ)は今も昔も歴史を背負って立っているんだと思うと、彼が最初の黒人大統領で本当に良かったと思います。

忘れるのはいつも加害者。そして歴史から学ぶということを、僕も忘れないように務めていこうと胸に刻むのでした。

Netflixがあれば黒人文化に精通できる

前々から思ってたけど、2016年からNetflixは黒人文化に対してのアプローチがスゴい

Hip Hop、ディスコの誕生を描いた音楽ドラマ「ザ・ゲット・ダウン」やハーレムのアメコミ・ヒーロー「ルーク・ケイジ」など、むしろ映画「バリー」で完璧な世界観を構築するためにやったのではないかと思わせられるほど、黒人のための作品が作られてきた。

僕は音楽もアメコミも、どっちも大好きだから両方観たんだけど。白人黒人問題は、僕ら日本人が思っている以上に根深い問題なんだろうね。せめてこういう作品を観て、理解することが、僕にできることなんじゃないかなと。

まあそういうのを抜きにしても、普通に作品としてめちゃくちゃ面白いから、動画ストリーミング・サービスはNetflixがマジでおすすめですよ。

おわりに

ほとんど思ったまま書いたけど、この映画を観て痛感したことは「黒人はまだまだ弱者」なんだってこと(あんなにマッチョ揃いなのに)。

奴隷制度は1865年に終わったけど、社会的立場は白人と全く同じわけではない。2010年代に入っても、白人黒人問題はある。そんな中、黒人として初めて大統領に選ばれた”誰でもない男”の姿は、闘い続ける意味や価値があるんだと教えてくれるのではないでしょうか。